いつもお世話になっております。
先日の中国株についての考察にあたり「中国はコロナ禍に於いて金融緩和政策を殆ど行わず、それこそ薬なしで立ちあがりつつあるという状況にあります」と、
あまりにも唐突に金融緩和について言及してしまいました。
このメールでその点を補足させていただきます。
下図は過去20年間の主要中央銀行のバランスシートです。(青:アメリカ、黄:ECB、白:日本、赤:中国)
(出典:Bloombergより山田作成)
コロナ以降、日米欧は大規模金融緩和による市場への資金供給を開始しました。
コロナ前の14兆ドル強(1484兆円強)から、21兆ドル(2226兆円)と、7兆ドル(742兆円)近くの資金を供給していることになります。
ちなみに東証一部の一日の売買高は約2兆円。約半年間で、とんでもない金額が世の中に出回りました。
これが株価のサポート要因となり、景況感と相反する株価上昇につながっているとも言えます。
この環境において中国の中央銀行である中国人民銀行は、金融緩和政策をしていないことがわかります。(赤い線はコロナ後も横ばいで推移)
これは前回のメールでお話したように新型コロナウィルスの制圧状況や経済が回復基調にあるなど、他国とは違う経済環境の良さが背景に見えます。
さらには人民元の増刷を抑えていることが、日米欧の金融緩和の影響で相対的に人民元高につながる可能性も考えられ(そこに中国の思惑もあると言われています)
外国人投資家である我々の運用収支に対して追加の恩恵を与える可能性もあります。
中国は金融緩和ができないのではなく、せずとも経済を立て直す力があるという点も加味し、投資対象として魅力があると考えています。
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