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私はここ数か月にわたって、米ドル建て債券に投資妙味ありという話をしてきました。

今回は特に推奨している米国債に絞り、その理由・魅力を説明したいと思います。お時間許す際にぜひお読みいただきたいです。

  1. 今買うと利回りが高い(購入時期についての比較)
    一番の理由はここです。
    米国はインフレ抑制のために利上げを繰り返し、米国金利は今年に入って急上昇しています。過去10年で最も金利が高いです。

    (出典:Investing.comより)

    債券は株などと違い、購入時に償還までの利回りが確定します。当たり前ですが金利が高いときに買うと有利です。もう一度言いますが、過去10年で最も金利が高い。
    今買うとどれくらい違うのかというと、米国10年満期国債をUSD 200,000購入したとして、単純計算で下記のように大きく変わってきます。

    同じ米国債にもかかわらず、今買えば利息が倍以上違ってきます。去年一昨年に米国債の推奨をしたことがなかったのはこういった理由です。

  2. 安全性が高い(その他金融商品との比較)
    米国債とはそもそも、アメリカにお金を貸し、利息を受け取り、満期になったら返してもらう、言わば借用証書です。
    預け先である米国は世界で一番安全な預け先の一つで、基本的にデフォルトすることは考えられません。元本の安全性は極めて高い。

    さらに言えば、懸念されている台湾有事のような地政学リスクが浮上してきた際、安全資産としての顔を持つ米国債はむしろ買われることがあります。

  3. 金利低下局面では債券単価の上昇が期待できる(外貨預金との比較)
    運用リターンという点では外貨預金や外貨定期預金でも十分利回りが高く、利回りにそこまで差が出ないケースもあります。
    その中でなぜ預金ではなく米国債かといえば、債券単価上昇期待があるからです。
    下記ドットチャートにあるように、FF金利は2023年をピークにその後は金利低下局面に移行する見込みとなています。
    債券の特性として金利が下がれば債券価格が上がるため、半年に1回の利息収入に加え、債券価格上昇による元本の売却益が期待できます。預金にこの特性はありません。

    (出典:REUTERSグラフィックスより)
  4. 円高抵抗力がある(日本円から米国債投資をしたケース)
    購入したいけれどもドルを持っておらず、今の為替でドルに換えたくないという気持ちもあるかと思います。でもドル資産は持っておきたいというジレンマを抱えられている方も多いと思います。
    そこで円から米国債を購入しましょう。高い利回りのおかげで円高抵抗力があり、円換算で損になりにくくなります。

    購入時にUSD 200,000をUSD/JPY = 150の為替レートで購入した場合、購入コストはJPY 30,000,000となります。
    償還時は利息含めてUSD 284,000となるため、仮にUSD/JPY = 105.63まで円高が進んでも円換算プラマイゼロとなります。

    上記のケースでの償還時における、為替レート毎の損益一覧がこちらです。多少円高になっても高い利回りのおかげでプラスになることがわかります。円安になればとんでもないプラスになります。

米国債は非常にシンプルで安全にもかかわらず、購入タイミングによって収支が変わるため、現在のような高金利下での投資が推奨されます。

仮に今後円安がさらに進んでしまい、今以上にドルが買いづらくなることだってあるかもしれません。こういった環境下で高利回りの米国債をポートフォリオに加えておくことはご資産のリスクヘッジにもつながります。

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