日経平均が1989年12月29日の過去最高値38,915円を更新し、現在は39,000円台で推移しています。新NISAも始まり、相場に関心を持つ層が増えてきたいま、市場ではいろいろな考え方が交錯しています。
(出典:Yahoo! Financeより)
個人的には相場が今後も上昇トレンドにあると考えていますが、今回は、そもそもこの水準はバブルなのか否かという点に絞り、考察します。
下記は1989年12月29日と直近株価の比較です。
(出典:Quick Money Worldより)
そもそもバブルとは何か。バブルとは「泡」という意味で、実態の価値以上の評価が生じている経済状態のことを指し、株・不動産等が実体のない価格に上昇していることです。
「実態」を考える方法はいくつかありますが、例えば株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)を尺度とすると考えやすいでしょう。企業の業績や財務状況に見合った株価になっていれば、PERやPBRは適正水準内にとどまることが多い。PERはまぁ15倍前後であればそこそこ適正か、PBRは1倍前後であれば企業価値と同等程度になると言えます。
上の表をもう一度見てみましょう。1989年の時点でPERは62.58倍、PBRは5.67倍。ともに4倍ほど“買われすぎ”の異常な状態になっていることが分かります。38,915円をつけた翌年からは下落相場に転じ、「バブルがはじけた」という表現をされることとなります。
現在を見てみましょう。PERは16.25倍前後、PBRは1.47倍前後。いずれも適正水準です。買われすぎても売られすぎてもないということであれば、「実態」に則した株価水準となっていると言えます。これはバブルとは到底言えません。
今後上がる下がるは誰にもわからないですが、現状の株価水準がバブルとは言えないことはこの比較からわかることでしょう。逆に言えば、日経平均株価が15万円をこえるなどしてくると当時の水準と同等のバリエーションとなってくるため、バブルだねとなります、まぁありえないと思いますが。
実は2020年7月にも同じタイトル「株はバブルと言えるか」で、情報提供をしました。ITバブル以来15年ぶりに20,000円を超えたことからこの内容で書き留めたことを覚えています。ということは3年半で2倍になっているわけで。ちなみに内容はこちら。
確かに株価は上昇してきているため、梯子を外されるのが怖いという気持ちもわかります。これだけ株価が上昇していると買いたくないという心理もよくわかります。(日本人はなぜか逆張り志向にあるようです。)
ただし過熱しているかどうかを冷静に判断することができれば、余計な心配することなくポートフォリオを維持することができると思います。
また、再度上記の表の米国株を見てください。日本株がえっさほいさと最高値更新をしている30年間で、米国株は10倍以上上昇しています。10倍以上です。リーマンショックなどの下落も経て。
日本株も確かに上がっています。でも、もっと上がっている市場があることを覚えておいてください。それを加味したポートフォリオ形成が重要です。
「株はバブルと言えるか(その3)」が配信できる日を期待しましょう。その時に上昇を享受できるポートフォリオが維持できているよう、お力添えさせていただければ幸甚です。
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