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2024年9月、米国がついに利下げを開始しました。それも0.5%と、通常の2回分の利下げを実施。簡単に言えば「インフレが落ち着いてきて米国景気も言うて良くないんで、上げ過ぎた金利を下げてきましょか」という流れ。FRBのパウエル議長は、以後金利を適切な水準まで下げていくことを示唆しています。

しかし先週末の雇用統計では、市場予想を上回る大幅な雇用者数増となりました。「思ってるより景気ええやん!景気過熱したらアカンから金利下げんほうがええかも」という意見が勢力を増し、金利が思ったより下がらないというのがここ数日の動きです。

マーケットは射的のようなところがあります。事前の市場予想で方向性を定め、その結果を受けて上下にブレます。期待が大きいほど、結果次第で予想とのブレが大きくなります。

ポートフォリオは大きな方向性に沿うように形成しつつ、想定外のリスクに備える必要もあります。そのために分散投資が有効となります。

その中でリスクに備える(リスクヘッジ)資産として、次のような資産クラスをポートフォリオに加えることをご検討ください。「思ってたんとちゃう」時に、これらの資産が助けてくれます。

  1. 債券
    債券は基本的に想定より利益が出ることはありませんが、逆に言えば安定した利回りが期待できます。
    相場が想定外の事態に陥ったとしても、リスクヘッジ目的の債券を保有していれば、その損失を低減する可能性があります。
  2. 金(ゴールド)
    金は利息が付与されないため、持っているだけで保有数量が増えることはありません。しかし様々な要因で価値が上がることがあります。
    特に地政学的なリスク等が発生した際には、金自体の価値が上昇し、ポートフォリオの価値を守ってくれる可能性があります。
  3. VIX指数
    恐怖指数と呼ばれる指数です。ざっくりいえば、世の中の不安心理が高まれば、この指数は逆に上がります。例えば紛争ぼっ発等です。
    この指数への投資をする商品もあり、何か起きた時には逆に価格が大幅上昇します。しかし基本的に、世の中の不安心理が高まることがなければ、この指数・対象商品は下がりつづけるので、注意が必要です。基本的にはポートフォリオに加えないですが、最後の手段としてはこういう指数もあるという程度で。

私はこのところ「年末年始に向けて株高」と考えて情報発信していますが、一本足打法では資産運用コンサルタントは務まりません。こういったリスクに備える資産をポートフォリオに加えるなど、きちんとリスク管理をしてこそだと思います。

いま、相場は上昇期待が膨らみつつあります。しかし、こういう時こそ「想定外のリスク」を忘れてはなりません。

なお、“円は安全資産”と呼ばれることがありますが、これは言葉足らずです。確かに円預金に預けていれば預金額は減りません。しかし物価が上がればその預金は減っているのと同じです。過去のデフレの影響で、このことが感覚的に理解しづらくなっていると思いますが、今はインフレなんです。食料品もガソリンも値上がりしているのです。給料が上がっていないのであれば、その銀行預金は目減りしています。日本円を持っていることがリスクにもなりうる、ということです。

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