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いつもお世話になっております。

本日の日経新聞に気になる記事がありましたので、共有できればと思います。

(出典:日本経済新聞2020年8月25日朝刊9面)

米中対立で中国が一番の弱みとしている部分が、ドルvs人民元の立場の差です。

世界中で流通している通貨量の割合はご存知でしょうか。

様々な指標がありますが、例えば外貨準備高という観点では、下記のようになります。

(出典:国際通貨基金HPより)

米ドルの外貨準備高は全体の61.99%を占めているのに対し人民元は2.02%と非常に小さく、ユーロ(20.05%)、日本円(5.70%)、英ポンド(4.43%)に次ぐ5位となっています。

要するに米ドルと人民元の通貨としての存在感は、米ドルが圧倒的優位と言えます。

米国は基軸通貨としての立場を利用し、中国に対する制裁の一つとして国際決済の枠組みから外すというカードをちらつかせています。

それはSWIFT(国際銀行間通信協会)からの除外です。

海外への送受金の際にはこのSWIFTコードを記入する必要があることはご存知のことと思います。その枠組みから除外するという制裁方法です。

実際に2018年、アメリカ主導でイランの複数銀行が除外されています。以後、イランは国際的な商取引が難しくなりました。

中国はこの制裁のカードを非常に恐れていると見られ、独自で国際的な決済システムを作った、これがCIPS(国際銀行間決済システム)です。

このCIPSを整備・普及することにより万一の事態に備え、さらには人民元の地位向上を図るというのが中国側の考えといえます。

近年の中国経済の成長から、日本含むアジア諸国の金融機関もCIPSへの参加を余儀なくされており、存在感は増しています。

個人的には短期的な中国の株式マーケットの上昇余地を感じています(またメールをします)が、こういったリスク要因を徐々に排除できれば、投資対象として魅力ありと判断できると思います。

ちなみに、、、

米中対立激化に向かえば香港ドルの米ドルペッグ制解除が起こるとの論調を耳にしますが、以前の配信にも記載したとおり、ペッグ制は香港側が決めています。

更には香港ドルは直近数ヶ月は最高値圏で張り付き、むしろ香港ドル売介入をしているほど買われています。

ペッグ制解除に向かうとは全く見られて無いことに加え、これは米中(香港含む)双方にデメリットが大きいため、現実味がないと言われています。

考えられうる制裁の手段としてはSWIFT外しが考えられていますが、CIPSによる決済網の構築が鍵となってくるでしょう。

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