8月10日に米国消費者物価指数(CPI)の発表がありました。結果は前年同月比8.5%増となり、市場予想の8.7%増を下回りました。
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(出典:Investing.comより)
先月の9.1%増をピークに物価上昇が落ち着いていくのではという安心感から株は買われ、NY株式市場は大幅上昇。それを受けた本日のアジア市場も軒並み上昇しています。
また、米国利上げ加速懸念が後退し金利差拡大は限定的との見方から、為替は3円程円高ドル安に振れました。円だけではなく主要通貨に対してドル安となっています。
今回のCPIではインフレ懸念の後退観測が確認され、今年の相場の悪材料の一つが解消しつつあります。
主要カテゴリーの見通しについて私の考えを簡単にまとめます。ご参照ください。
- 米国株:年初からの反転上昇に期待し、買い推奨
年初からハイテク中心に大きく売り込まれ、足元は少し回復してきましたが、実はEPSは今年に入ってずっと上昇しています。でも環境が悪かった。
反転のタイミングが来たら買いかと思っていたので、そろそろ上昇に向かうのではと期待できる環境になりつつあると考えます。
これまで売られてきたハイテクの巻き返しに期待したいです。ETFなどのインデックス買いより、アクティブファンドに好機かと思います。 - 米国債券(米ドル建て債券):まだ買い推奨、その後は利回り減の可能性あり
年初から金利上昇・価格下落が続き、保有者にとっては逆風、購入希望者にとっては買い時が継続してきましたが、逆転の可能性があります。
FRBは利上げの年内打ち止めに転ずる可能性もあり、そうなればようやく保有者にとってプラス方向へ進むかなと思います。
まだ金利差があり、購入も悪くない環境となっているかと思いますが、半年後には状況が変わってしまうかも。 - 日本株:下値不安少ない
引き続き悪くない環境が続くと思います。日銀は主要国では珍しく金融緩和を継続していく姿勢を示し続けています。
これは株価の下支え効果が期待できるので、しばらくは安心して日本株投資ができると思います。円安も追い風。 - 欧州株:環境好転まで今は我慢
材料的には正直厳しいかなと思います。原油価格は落ち着きつつあるものの、天然ガスの価格はまだまだ高く、ドイツ中心に景況感悪化の可能性があります。 - 中国株:リスク多く、しばらく見送り
米国利上げの問題とは別に、ゼロコロナ政策の反動ダメージが大きい様子。同僚の中国人に聞いても、中国の景況感はまだまだ悪いと言っていました。
台湾情勢もあり、全体的には相場の重しとなりそう。敢えて火中の栗を拾う必要はないというのが個人的考えです。
ただし、経済がうまく回っている部分もあると聞きます。不動産も活況なエリアあり。半導体不足・人手不足で勢いはあるため、機を伺うことは重要です。 - 為替:ペースは落ち着くものの、ドル高傾向か
ドル高一本調子できた年初からの動きは落ち着くと思います。対円では金利差が引き続き開いているため、現状の水準で推移がしばらく続くと思います。
その他の通貨でみても対ドルで売られているものが多くなっていますが、全体的な方向性は引き続きドル高と考えます。 - その他
実は金を買ってもよいのかと思います。ETFでもファンドでも。
金価格の変動要因の一つとして、ドルとの魅力の対比で強弱が出ます。米国金利上昇局面下では相対的に金の魅力が下がり価格が下落しましたが、利上げ後退懸念のころから反転上昇しています。
リスクヘッジ資産としてもポートフォリオに加えることを推奨します。
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