昨晩開催された米国FOMCで、FRBはFF金利の0.75%上昇を決定しました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN27E4D0X20C22A7000000/
記事にもありますがパウエル議長は会見で、下記のように話しています。
会合後に記者会見したパウエル議長は「金融政策のスタンスがさらに引き締まるにつれて、引き上げペースを緩めることが適切となる可能性が高い」と述べた。一方で今回の会合でも1%の利上げが議論になったと認め、今後の物価指標などによっては大規模な利上げがもう一度必要になるかもしれないと含みを残した。
これを踏まえ、今後の投資環境についての考察をなるべく簡潔にしていきます。
2022年は年初から相場下落が続きました。FRBはインフレを抑制するための利上げを進めていきます。
そんな中2月24日にロシアのウクライナ侵攻が開始。多くの人的・物的被害に加え、資源・穀物供給懸念から商品市況が上昇、インフレに拍車がかかります。原油や小麦(ロシアとウクライナは小麦の主要輸出国)の価格は急騰しました。
(出典:Nikkei225jpより)
(出典:Nikkei225jpより)
この商品市況の価格上昇は徐々に物価に反映され、米国のCPI(消費者物価指数)は上昇していきます。過去数十年の中で最大のインフレが、今起きています。
(出典:Investing.comより)
このインフレを抑えるため、米国は利上げをしています。FRBはFF金利の上下をすることで景気の調整をしていますが、現在の利上げの根拠は景況感を悪化させ、物価を下落させるため、インフレ抑制のための利上げとなっています。
当初はもうすこし緩やかなペースでの利上げが検討されていましたが、ロシアウクライナ情勢によるインフレ急加速から、利上げ幅も同様に拡大させる必要があったと思います。直近の利上げ局面ではもう少し緩やかな利上げがされているのに比べ、今回の利上げ幅が大きいことがわかります。
(出典:Reutersグラフィックスより)
このような経緯から、株式市場からすれば大幅利上げによる景況感・企業業績悪化が懸念され、年初からの相場下落が続きました。
更に、このインフレや利上げの落ち着く時期が見通せない状況が続いたため、反転上昇するメドが見えなかった。それがようやく見えてきたのが昨晩のパウエル議長の発言です。もう一度書きます。
「金融政策のスタンスがさらに引き締まるにつれて、引き上げペースを緩めることが適切となる可能性が高い」
ようやく(FF金利の)引き上げペースを緩める可能性についての言及がありました。米国金利環境は上昇局面にようやく終わりが見えてきたと受け取って良いかと思います。金利が高値圏と認識されるのであれば、今後の見通しが下記のように変わってきます。
- 日米金利差拡大否定から円安ドル高傾向が是正される
- 米国金利高止まりから、債券価格上昇、利回り低下へ
- 株式市場にとってはプラスへ働きやすい
次回のFOMCは9月に予定されています。来月10日にCPIの発表があるのでそこには注意する必要がありますが、前回申し上げた通り、CPIは遅行指数。上記で挙げたような商品市況の価格が落ち着いてきましたので、FOMCは現状、無難に通過すると考えられます。
(出典:マネックス証券)
投資環境が大きく変化するタイミングの今、ポートフォリオや投資戦略の見直しが必要なケースもあるかと思います。
気になることがあれば、ぜひご相談ください。他社商品等でも相談に乗ります。必要あれば某お笑い芸人の投資詐欺についても解説します。
よろしくお願い致します。
なお米国株式市況について、実はEPSが継続して上昇しているにもかかわらず株価が下落しており、S&P500の予想PERは17倍程度まで急低下しています。
過去こういった環境で投資をすれば、その後大幅な上昇をしていることが多く、米国株式に対しては投資妙味ありかと思います。ようやく。
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