【まとめ】
パウエル議長が利下げを示唆、今後の米国金利低下が見込まれる
金利低下を受けて米国株・債券ともに上昇、為替はドル安(円高)、金価格上昇。日本株は円高の影響で下落
ひとまずこの水準で値固め、市場参加者はクリスマス休暇へ
先週のメールでお送りしたように、FOMCで大きな動きがありました。パウエル議長がFOMC後の会見で「政策金利はピークに近い可能性がある」と発言。2年前から始まったインフレがようやく落ち着きを見せたことから、インフレ対策の利上げはもうする必要がない、今後は上げ過ぎた金利を下げていくということ。
米国金利低下は株価にとってプラスに作用するため、米国株・米ドル建て債券は上昇しています。2022年初頭以降の市場の動きに対して逆転が起きている状況。また、日米金利差縮小からドル安(円高)が進み、為替は142円で推移しています。また、米国金利低下は金価格にもプラスに作用します。
日本株は現在下落していますが、今後も為替の逆風を受ける可能性があります。本日のように昨晩の米国株が上昇しても、日本株は上がらないという展開が今後もあり得、少し苦しい展開が続きそう。さらにはドル建て日経平均は上昇しています。日本株は下がっているのに海外勢から見れば実質上がっているのもネガティブ要因です。
今後はひとまずこの水準での値固めに移行するのではと考えます。主に市場を動かしている欧米の参加者はクリスマス休暇に入るため、大きな動きが出づらいことが一番です。
また、為替については極端な円高は考えにくいです。為替相場は方向性が変わるときには動きが出やすいですが、実際に利下げが開始したからそれを受けて円高進行するというのはあまりないと思います。
米国株や債券については金利が下がれば下がるほど価格は上がりやすいので、しばらくは良い環境が続くと思います。2022年の相場の逆転が生じるのではと考えます。
今後の注目点としては利下げの回数と幅。来年は年3回の利下げが予想されています。この回数が増える場合は、市場の動きは強まると考えられます。また、考えにくいですが、利下げ幅が大きくなれば同様に市場への影響は大きくなります。
また、VIX(恐怖指数)が低位安定しています。相場が上がりやすいですが、何かあれば「いったん利益確定売り」等と理由をつけて下がる場面もあると思います。短期の投資家は気にする必要がありますが、長期投資・長期資産形成においては細かい動きに動じず、良いポートフォリオを形成してどっしり構えることが重要です。
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