Categories:

本日はFRBの金融政策「テーパリング」と、考えられうる影響について解説いたします。

最後に懸念材料も記載していますので、ぜひ最後までご覧ください。

ご存じのようにコロナウィルスの大流行により、2020年3月に株価は世界的に大きく下落しました。

それを受けFRBは、ゼロ金利政策に加えて量的緩和を実行。米国債を800億ドル、MBS(不動産担保証券)を400億ドルの計1200憶ドル(約13兆円)を毎月購入し続けています

金融資産を購入することにより市場に資金を供給するという手法です。とんでもない巨額の資金を1年半もの間、市場に供給し続けてきたということになります。

リーマンショックの教訓から株価が大きく下がると金融業界以外の各方面にも影響が出てしまうため、なにか危機が起きた時にはまずは金融政策というのがここ20年のトレンドのようになっています。

今回FRBはテーパリングを決定しました。このテーパリングというのは、毎月購入していた金額を徐々に減らし、ゼロにするという政策を言います。

https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO1222119001112021000000-2.jpg?ixlib=js-2.3.2&auto=format&q=45&w=1600&s=438ad595322b57342c827bcd716ffc39

(出典:日本経済新聞社HPより)

あくまで購入額を減らすだけであり、市場に流通している資金量を減らすということではありません。

世の中には依然、大量の資金が滞留していることになります。

https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO1222130001112021000000-1.jpg?ixlib=js-2.3.2&auto=format&q=45&w=1600&s=eacbabe7666f0af2d710268e8b67bd91

(出典:日本経済新聞社HPより)

実はテーパリングは2013年にも実行されています。その時何が起きたのか。

(出典:週刊エコノミストHPより)

2008年リーマンショック後、FRBはゼロ金利政策に加え、量的緩和により大量の資金を市場に供給しました。

その後株価は回復、2013年にテーパリングを開始。資金供給を段階的に縮小。その後利上げというプロセスを踏み、金融市場は正常化に向かいました。景況感と相場の好転を確認したところでようやく、利上げとFRBバランスシート縮小に政策転換した、その最中にコロナショックが起きたという流れになります。

今回採られている措置はリーマン時の対応と似ているかと思います。コロナショックを受けまず金利を下げ、量的緩和を実施しています。ただし、今回の量的緩和の規模は前回以上になっていますが。

その間株価は堅調に推移しています。今回も株価の下落につながらないような適切な金融政策を選択することにより、株価の上昇トレンドは継続するのではと考えています。

NY株価は最高値を更新し続けていますが、株式待機資金は枯渇していません。MMF残高は4.5兆ドルとなり、株式市場にはサポート材料となります。

よく株価が上昇しているからバブルでは?というお問い合わせをいただきますが、私は全くバブルと思っていません。待機資金が枯渇するほどの状況であれば注意が必要です。

米国中心の株式ポートフォリオの形成には適した時期が、ここ3年は続くと考えています。

(出典:ニッセイアセットマネジメントファンドレポートより)

なお、あふれた資金は債券マーケットにも移行していますが、こちらは個人的には若干バブル気味になっているかと思っており、懸念しています。

イールドハンティングの結果ジャンク債が実力以上に買われていると思います。中国恒大問題も含め、債券市況には注意が必要と考えています。

投資適格級の債券についてはあまり不安視していません。アジアハイイールド債等はポジションを減らすことを推奨します。

その他、金融引き締め局面では新興国株式マーケットの下落につながりやすい傾向もあります。

大きく上昇してきた新興国株式投資資産については、金融政策の転換点である今、利益確定も検討すべきかと考えています。

Tags:

No responses yet

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です